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壊れた玩具

《虹光の宣告者》について考えるだけ

年始の暇潰しブログです。

 

 

 

 

 

 

虹光の宣告者というモンスターが居ます。

 

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シンクロ・効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 600/守1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いの手札・デッキから墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。
②:モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、このカードをリリースして発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
③:このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。

 

 

「アーデク」の略語で親しまれている現役プレイヤーであればほとんどの方が1度は見た事があるカード。

《ゲール・ドグラ》《宣告者の神巫》《おろかな重葬》《影霊衣の万華鏡》等で直接墓地に送り儀式召喚のサポートを行ったり、展開系に分類されるデッキが手札誘発をケアする為に展開前にシンクロ召喚したりと様々なデッキで使われています。

自分も【神光の宣告者】【3軸シンクロ】で主にお世話になり思い入れのあるカードです。

 

今回はこのカードについて改めて考察をしたいと思います。

 


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初出は「ネクスト・チャレンジャーズ」です。

同パックには現在【ドライトロン】で猛威を奮っている《崇高なる宣告者》も収録されています。

また、この3ヶ月後には【影霊衣】が収録されている「ブースターSP-トライブ・フォース-」が発売されています。

《虹光の宣告者》は儀式カードをサーチする効果を持っているので、これらをサポートする為に収録された可能性は高いでしょう。

 

 

《虹光の宣告者》には3つの効果がありますが、とりあえず①は置いておいて②③から考察します。

②の効果は万能無効で、出すだけで1妨害になります。

これは手札誘発系の各宣告者や《神光の宣告者》を意識していると考えて良いでしょう。

テーマ化していないものの【宣告者】と名のつくカード群は基本的にカウンターで妨害する効果を持っているので、これに倣ったと考えられます。

 

③の効果は儀式カードのサーチ。

上にもある通り【宣告者】はサポートカードが存在しないただのカード群であり、例えば《朱光の宣告者》と《神光の宣告者》を同時に採用しても天使族としてのサポートしか共有出来ません。

《聖光の宣告者》もレベルやステータスの面で意識はされているものの、《神光の宣告者》の儀式召喚にはほとんど結び付かない効果です。

その点を考えると《虹光の宣告者》は初めて下級宣告者モンスターと《神光の宣告者》を繋ぐ事が出来るようになったモンスターであり、【宣告者】としての纏まりが強くなった1枚と言えます。

(現実的にチューナーである《朱光の宣告者》とその他どちらかで《虹光の宣告者》が出せたかと言われると難しい所ですが…)

 

 

さてここからが本題、①の効果です。

モンスターゾーンに存在する限りお互いに手札、デッキから墓地へ送られるモンスターが全て除外されるようになります。

特定のデッキに対して強力なメタとして機能する置物系の効果で、出すだけで使えなくなってしまうカードも少なくありません。

例えば【宣告者】がそれに該当するでしょう。

 

 

 


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なぜ?

 

 

 

 

 

手札から墓地へ送られるモンスターが除外されるという事は、コストで墓地へ送る事によって効果を発動する【宣告者】は儀式モンスターも含めて効果が一切使えなくなります。

《虹光の宣告者》から使えば良い話ではありますが、そもそも腐らせてしまう効果の存在が謎です。

また、手札から素材を用意出来る儀式召喚というシステム自体とも相性が悪いです。素材が除外されてしまう為再利用が難しくなります。

既存の【宣告者】同士の繋がりを強める為に収録されたカードが場に存在するだけで【宣告者】の動きを妨げるというのはかなり違和感があり、ここには何らかの理由があると思われます。

 

 

という訳でこの明らかに歪な効果についていくつかの説を考えてみました。30分くらいしか調べてないので他に理由を知っている方や思い付いた方は是非教えてくれると嬉しいです。

 

 

 

説その① ~【シャドール】の台頭 ~


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9期に入った遊戯王は大きな変革を迎えました。それが【シャドール】の誕生です。

今までのデッキとは掛け離れたアドバンテージ獲得能力でそれまでに存在したデッキを大きく引き離し、一瞬で環境トップとなりました。

その中でも特に強烈なインパクトを与えたのは、EXデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合にデッキから融合素材を調達出来る《影依融合》でしょう。

未だに【シャドール】と対戦する時はケアを強要される、その尋常ではないカードパワーで多くのゲームを決定付けて来ました。

しかし《虹光の宣告者》はシンクロモンスターであるものの《影依融合》によって墓地へ送られるカードを全て除外する事が出来るので、相手にアドバンテージをほとんど与えずに済みます。

同時期に存在した【シャドール】のメタとして活躍させる為にこの様な効果を付けたのであれば理由としては十分でしょう。

なお、下級【シャドール】に戦闘破壊されるステータスなのでメタとしては機能しません。

 

 

説その② ~【影霊衣】登場への危惧 ~


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《虹光の宣告者》は【影霊衣】と非常に相性が良いものの、手札から捨てて効果を発動する特性や儀式召喚ギミックに対しては除外効果が機能します。

共通効果は「捨てて」発動するのでサーチ等は可能であり、本当に除外されるだけな気はしますがリソースや後続を断つぐらいの事は出来るかもしれません。

 

 

説その③ ~【征竜】の残党狩り ~



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【征竜】はその性質上手札・デッキから多くのモンスターを墓地へ送ります。

《虹光の宣告者》がフィールドに存在する事でそれらを除外する事が可能であり、当時流行していた【青眼征竜】に対しては大きな効力を発揮出来ます。

過去形ではないのは活躍した過去が見当たらなかったからです。

 

 

 

 

 

 

ダメじゃん

 

 

 

 

そもそもの大前提として《虹光の宣告者》はあまりにもステータスが低く、所謂置物系モンスターとしては信用に足るレベルではありませんでした。

後に《地竜星-ヘイカン》を素材にしたこのモンスターが一定の活躍をしている事から効果自体が強力な事は間違いありませんが、やはりこの時期に出す手段と守る手段を同時に用意するのは難しかったのでしょう。

(当時《虹光の宣告者》を容易にシンクロ召喚出来たのは《深海のディーヴァ》くらいしか居なかったのもその一因です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ結局①の効果はなんなの?」

「わかんない」

 

 おわり